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もはや生きる伝説と呼んでも過言ではないプロテニスプレーヤー、ロジャー・フェデラー。
ツアー通算タイトル数は111勝。グランドスラムの優勝回数は歴代1位タイとなる20勝。

スイス代表としても結果を残しており、2008年の北京五輪では男子ダブルスで金メダルを獲得し、2012年のロンドン五輪では男子シングルスで銀メダルを獲得。
特に芝では無類の強さを誇り、ウィンブルドンでは単独最多優勝記録を持つ。

今回は、そんな伝説の選手ロジャー・フェデラーの使用しているラケットとストリングを深掘りしていきます。

フェデラー好き必見の内容となっております。
フェデラーの使用しているテニスラケット、ストリングが気になる方は是非参考にしてみてください。

ロジャー・フェデラーの最新使用ラケット、スペックを紹介!

ロジャー・フェデラー プロフィール

まずはフェデラーのプロフィールになります。

国籍:スイス
出身地:スイス・バーゼル
誕生日:1981年8月8日
身長:185cm
体重:85kg
利き手:右
バックハンド:片手打ち
プロ転デビュー年:1998年

四大大会最高戦績・シングルス

フェデラーの四大大会(シングルス)での戦績を紹介いたします。

全豪 優勝(2004・06・07・10・17・18)
全仏 優勝(2009)
全英 優勝(2003-07・09・12・17)
全米 優勝(2004-08)

グランドスラム通算優勝回数(2020年11月時点)

20回(豪6・仏1・英8・米5)

ロジャー・フェデラー使用テニスギア

ロジャー・フェデラー 使用ラケット


フェデラーの使用しているラケットは、Wilson PROSTAFF(プロスタッフ)RF97 です。
フェデラーはプロデビューした年から現在までWilsonと契約しており、一貫してWilsonのラケットを使用しています。
フェデラー=Wilsonのイメージが定着していますね。
Wilsonはそれだけフェデラーが信頼しているブランドということが伺えます。

  1. Wilson PROSTAFF97

    Wilson PROSTAFF97

    次世代のPRO STAFFユーザーのために新たにカウンターベールを搭載した、New PRO STAFF。



Wilson PROSTAFF(プロスタッフ)RF97のスペック

市販品のスペック


発売日 2019年5月
対象 Player Type: Attacker/Power Level: Medium
素材 バサルト・ファイバー + カロファイト・ブラック + ブレイディッド・グラファイト + ケブラー
重さ(ウエイト) 平均340 g
バランス 平均30.5 cm
サイズ/レングス 27.00インチ
フェイス面積 97平方インチ
フレーム厚 21.5/21.5/21.5mm
ストリング・パターン 16 x 19
グリップ PREMIUM LEATHER BLACK
グリップサイズ G2(WRT73141S2)/G3(WRT73141S3)
グロメット品番 WRG731400
バットキャップ品番 WRG164311
適正テンション 50-60p
製造国 中国
前モデル PRO STAFF RF97 AUTOGRAPH

ロジャー・フェデラーの使用ラケットスペック


フェデラーは市販で販売されているラケットとは異なるスペックを特注しています。
実際にフェデラーが使用しているラケットのスペックを紹介します。

ラケットの重さを重くしており、バランスやスイングウェイトが異なるようです。
素材などは市販品と同じです。

市販品でさえ、上級モデルとなっており、テニスラケットでは重たい部類に入りますが、そのラケットをさらに重たくカスタマイズしているようです。
この重さのラケットをあの柔らかいタッチと片手バックハンドで使いこなすのは、正に天才フェデラーならではですね。

Federer’s actual specs (no lead added, just a slightly heavier batch)
Weight: 12.9 ounces / 366 grams
Balance: 31.5cm / 9 pts HL
Stiffness: RA 68
Swingweight: 340

参照元:tennisnerd.net

ロジャー・フェデラー 使用ストリング


フェデラーはハイブリッドのストリングを使用しています。使用しているストリングは、ウィルソン(WILSON)ストリング チャンピオンズ・チョイス(CHAMPION’S CHOICE)1.30mmとルキシロンのあるパワーラフ1.25mmです。

ストリング テンション
縦ストリング(メイン) ウイルソン ナチュラル 1.30mm (約59ポンド)
横ストリング(クロス) ルキシロン アルパワーラフ 1.25mm (約55ポンド)

こちらの動画でWilsonの方がフェデラーと錦織圭選手のストリングのセッティングについて解説してくれてます。



  1. チャンピオンズ チョイス デュオ(CHAMPION’S CHOICE DUO) 16L×16 125×130 シルバー×ナチュラル

    Wilson テニスガット チャンピオンズ チョイス デュオ

    ロジャー・フェデラーが選ぶALU POWER ROUGHと新Wilsonナチュラル・ガットのセッティング。



ロジャー・フェデラーのグリップサイズは2


大人の男子が使用するラケットのグリップサイズは3が一般的と言われていますが、フェデラーの使いラケットのグリップサイズは14歳の頃から2を使用しています。
市販モデルより重量が重く、更にグリップを細くすると扱いづらくなるイメージがありますが、天才の感覚ではベストなセッティングということなのでしょう。

ロジャー・フェデラーの歴代ラケット

※こちらの内容はThe History of ROGER FEDERER and PRO STAFFを参照しています。

ジュニア時代:PRO STAFF MID

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フェデラーがジュニア時代に愛したラケット。それがテニス界の至極品と言われるPRO STAFF MID。
フェデラーはこのラケットでWIMBLEDONのジュニア部門を制し、ジュニアランキングで世界1位となりました。

2002年:HYPER PRO STAFF 6.1 90 (日本非発売)

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2002年、パワーラケットへと時代が変化していく中、フェデラーはHYPER PRO STAFF 6.1 90 (日本非発売)にラケットを変更しました。
この頃から着実に世界ランキングを上げ、自身初となるATPランキングTOP10(6位)でシーズンを終えました。
フェイスサイズを5sq.inch広げた事がフェデラー伝説への序章となったと言われています。

2003年:PRO STAFF TOUR 90

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2003年、サンプラスが創った(サンプラスは未使用)PRO STAFF TOUR 90にラケットをスイッチ。
ここからフェデラーの伝説が始まります。グランドスラム20勝の第一歩となる、WIMBLEDONで初のタイトルを奪取し、年間最終ランキングは2位にランクアップ。

2004年:SIX.ONE TOUR 90

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2004年から2007年までの3年間はSIX.ONE TOUR 90を使用。
使用開始してから世界ランキング1位となり、このモデルで四大大会20タイトルの内8タイトルを奪取しています。
まさにフェデラー伝説の第1幕を支えたモデルと言えます。

2007年:[K] SIX.ONE TOUR 90

Embed from Getty Images 2007年からの3年間は「[K] SIX.ONE TOUR 90」を使用していました。
このラケットでWIMBLEDON 5連覇、US OPEN 5連覇 (+A:1/R:1)を含む6つのグランドスラムタイトルを奪取。そして遂に、Roland Garrosも制し、生涯グランドスラムを達成しました。

2010年:SIX.ONE TOUR BLX 90

Embed from Getty Images 2010年からは「SIX.ONE TOUR BLX 90」を使用。
フェデラーの「もっとインパクト情報を的確に感じられるものを」を叶えたモデルです。
2011年にはATPワールドツアー・ファイナルで、最多優勝回数となる6度目の優勝を果たしました。

2012年前半:PRO STAFF SIX.ONE 90

Embed from Getty Images2012年前半は「PRO STAFF SIX.ONE 90」を使用。
サンプラスに並ぶWIMBLEDON 最多7度目の優勝を果たします。
ランキングも世界ラインキング1位に返り咲き、在位期間を最長の302週まで伸ばしました。
しかしロンドンオリンピックの敗戦で大きな変化を決意します。

2013年:PRO STAFF 90

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2013年発表の「PRO STAFF 90」。
しかしフェデラーは一度もツアーでは使用することはなく、変化と進化を求め、127本ものテストラケットをトライし続けました。
後にサンプラスが「自分も変化を求めるべきだった」と彼の決断を勇気あるものと賞賛しています。

2014年:PRO STAFF 97RF Autograph

Embed from Getty Images 2014年、トロントマスターズから使用開始した「PRO STAFF 97RF Autograph」。
「まだ果たせていないものを果たすため」に127本のテストラケットの末に辿り着いた、パワーを向上させた全く新しいPRO STAFFです。

2018年:PRO STAFF RF97 Autograph

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フェデラー指揮の元、開発した「PRO STAFF RF97 Autograph」。
「Uncontaminated Design」、「Velvet Paint Coating」とフェデラー自身が自身のために作り上げた究極の1本。
フェデラーはこのラケットでGSタイトルを2個獲得(A:1/W:1)。ランキング1位にも返り咲きました。

  1. Wilson PROSTAFF97

    Wilson PROSTAFF97

    次世代のPRO STAFFユーザーのために新たにカウンターベールを搭載した、New PRO STAFF。



硬式テニスラケット選びのポイント

ラケットの重量

ラケットの重量は、以下の3つのことを覚えておけば、自分が選択するラケットが軽めなのか、重めなのかの判断をすることができます。

ラケット重量の基準


  • 270g以下が軽量のラケット
  • 285g〜305gが男性標準のラケット
  • 310q以上が重いラケット

バランスポイントについて


バランスポイントというのは、グリップエンドから、ラケットの質量中心、すなわち重心までの距離を示した数値になります。
簡単に説明すると、数値が大きいほどトップヘビーのラケット、数値が軽いほどトップライトのラケットとなります。

重量が軽いのと、扱いやすさは異なる


ラケットの重量について先述してますが、重量が軽いからといって、操作性が良くなり、スイングがしやすくなるわけではないのです。
ラケットのスイングのしやすさ、操作性には、重量以外に、バランスポイントが大きく関係してきます。
大まかに以下の数値が基準となります。

  • トップヘビー:325mm以上
  • トップライト:315mm以下

トップヘビーのラケットは、重心がラケットの先端にあるので、遠心力を使ったスイングがしやすくなるというメリットがあります。
デメリットしては、テイクバックやボレーなど、細かい動作がやりづらく感じる場合があります。
トップライトのラケットは、重心がグリップ側によっていて、操作性が良く、ラケットの取り回しがやりやすくなります。

ラケットの重量とバランスポイントの関係で、スイングのしやすさ、操作性の感じ方が変わります。
実際に、ラリーやボレーをしてみて、感覚を試すのが、自分に合ったラケットを見つける近道になります。

フェイスサイズ


ストリングを張っているラケットの面の大きさをフェイスサイズと呼びます。
以下の数値が大小の基準になります。

  • 大きめのフェイスサイズ:110インチ以上
  • 標準のフェイスサイズ:95インチ〜110インチ
  • 小さめのフェイスサイズ:95インチ以下

大きめのフェイスサイズだと、当然ボールが当たる面積が広がるため、ストロークやボレーで面に当てやすくなります。
小さめのフェイスサイズだと、ボールを当てるのが、フェイスサイズの大きいラケットより難しくなりますが、振り抜きが良くなるというメリットもあります。

すでにフォームも固まっている、経験者のプレーヤーは、フェイスサイズの小さいラケット、大きいラケットを試してみて、自分のプレースタイルに適したフェイスサイズをチョイスしてみてください。

フレーム厚


フレーム厚は、以下の数値を基準としてください。

  • 28mm以上:厚いラケット
  • 22mm〜28mm:標準ラケット
  • 22mm以下:薄いラケット

フレームが厚いほど、ボールが飛ばしやすくなります。薄いラケットだと、ボールが飛ばなくなります。
ボールを飛ばす感覚を身につけたい初心者のプレーヤーには、フレームが厚めのラケットを使用し、まずはボールを飛ばす感覚を身につけることをおすすめします。
逆にボールが飛びすぎてしまうと感じているプレーヤーは、フレームの薄いラケットを試してみることをおすすめします。

硬さ

カタログ上でみないこともありますが、RAという数値が掲載されている場合、それはラケットの硬さを示しています。
数値が大きいほどしなりが少ない硬いラケット、数値が小さいほどしなりが大きい柔らかめのラケットとなります。

具体的な例でいうと、弾きがいい、球離れがいいと言われているBabolat PURE DRIVEのRA数値が72、コントロール性能が高いと言われるピュア ストライク VS ツアーがRA数値 67となっています。

フレームの厚さや、ストリングによっても感覚は変わりますが、RA数値もラケット選びの参考にするといいでしょう。

実際に試打するのが大切

最も重要な打球感

ラケットのスペックについて記載しましたが、スペックはある程度ラケットを絞るための指標と考えてください。
本当に大切なのは実際に打ってみることです。

自分が試合で使うショットは一通り打ってみてください。
ベースとなるストロークはもちろん、スライス、サーブ、ボレー、スマッシュなど、あらゆるプレーを試すことをおすすめします。

これまでフェイスサイズが大きく、フレームが厚めのラケットは避けてきたが、打ってみたら、楽にプレーできるし、フェイスサイズが大きめでフレームが厚めのラケットが良くなるというケースも珍しくありません。

ある程度自分のレベルや好みに合わせてスペックを絞ったら、あとは試打あるのみです。
ストリングも自分の貼りたい素材のストリングを指定のポンド数で貼るのが理想ですが、難しければストリングは指定できなくても問題ありません。
試打するだけで、大まかな感覚を把握することができます。

ロジャー・フェデラーのSNS

Twitter

https://twitter.com/rogerfederer

Instagram

https://www.instagram.com/rogerfederer/?hl=ja

Facebook

https://ja-jp.facebook.com/Federer

フェデラーのスーパープレー

Top 100 Roger Federer Career ATP Points!

フェデラーのATPツアーでのスーパープレーを100ポイント分まとめています。
全ポイント、これぞフェデラーという美しくエキサイティングなポイントです。



フェデラーのフォトギャラリー

若かりしフェデラー

若かりしフェデラーです。若い頃は金髪だったんです。


奥さんとの一枚

奥さんのミロスラヴァ・ヴァヴリネックとの一枚です、フェデラーの奥さんもWTAランキング自己最高位はシングルス76位を記録した元プロテニスプレーヤーです。


ジャンピングスマッシュ

フェデラーがスマッシュを決める直前の写真ですね。しなやかで美しいフォームですね。



まとめ

今回は天才フェデラーの使用ラケット、ストリングについてご紹介しました。

フェデラーがテニスをしているのを見ると、本当にテニスが簡単そうに見えますよね。
フェデラーが使っているラケットを使えば、それだけでテニスが上手くなれる気がしてきます。

ベテランの域に入ったフェデラーですが、まだ世界のトップオブザトップで私たちを楽しませてくれています。
今後の彼のプレー、動向からも目が離せないですね。

それでは良いテニスライフを!

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